コラム

2016/04/08

新中1の勉強法(数学編)


中学校以降、特に苦手意識を持つ人が多いのが数学でしょう。
小学校のころは何とかなったが、中学に進学したらついていけなくなった、というのはよくある話です。

単元によって少しずつ苦手になっていきますが、その共通する原因は、小学校の学習が分かっていないことと、中学校の新しい概念が獲得できないことです。

 

算数→数学って何が違うのよ、なんて問題もありますが、それは一先ず措き、ダメになりがちな単元について書いていこうかと思います。

 

 

【つまずきやすい3つの単元】

① 正負の数

多くはありませんが、最初からアウト!というお子さんがいます。ここで計算ができないのは、小学校で計算力を十分に身につけていないことが原因です。たとえば、分数の通分ができないとか、分数のかけ算・割り算ができないとか、あるいは小数の足し算ができないような場合には、仮に正負の概念を理解できたとしても計算ができません。早急に計算練習が必要でしょう。

 

 

② 方程式の文章題

多くのお子さんは、計算は何とかなるものの、方程式の文章題で数学の苦手感を自覚することになるようです。方程式の計算は何とかなったのに、文章題となると全くできなくなる。

 

ここで、つい「応用力がない」と言いがちですが、それは間違いで、基礎力の不足が原因です。文字式についてきちんと理解しないまま、方程式の計算に逃げてしまう。そして計算の単元が終わって文章題に入ると、文字式の記述方法が分からずに挫折する。「基礎は分かっているが、才能がないので応用ができない」という発想はまず捨てましょう。才能のあるなしではなく、基礎の習得不足ですので、文字の概念と扱いを丁寧に教えてあげることで解消します。

 

また、小学校の学習が分かっていないことも原因になります。たとえば、「40kmの道のりを2時間で行ったら、速さは時速何kmになりますか?」という問に答えられない子が、「a kmの道のりを2時間で行ったら何km行ける?」という問いに答えられるはずがありません。そもそもa÷2が出てこない上に、a÷2をどう表記していいか分からない、ということになります。

 

③ 比例

二学期になってからですが、比例の単元もコケ易いところです。まず「座標」の考え方をすぐに習得できるかどうかによります。座標の意味が分からなければ、関数のグラフなんて全く理解できません。しかし、それよりも問題なのが、小学校で学ぶ比例の定義と、単位当たりの量という考えがある程度分かっていないことです。比例については、「年齢と身長は比例するか?」という質問に「Yes!」と答えたらアウトです。これも小学校の内容をきちんと見直さないといけないでしょう。

 

 

 

だいたい、上にあげた3つの単元で「数学は無理!嫌い!」が決定づけられてしまいます。その後の「図形」は苦手かどうか以前に、「やる気が失せて、もうできない」。一度嫌いになった教科は、やり直そうとしても相当に時間がかかります。それに、他の学習を優先してやらなくなりますので、ますますできなくなる。「嫌い!無理!」と言う前に、何らかの手を打ってあげた方が良いでしょう。

 

 

【つまずかないためには】

小学校の復習を少しずつやっていく以外にありません。
具体的には、まず中学校で習う前にちょっと先取りで勉強してみて、できないところがあれば原因までさかのぼって修正する、という方法が考えられます。

たとえば正負の数だったら、まずやってみて、
→ダメだった→分数の通分→ムリ→公倍数
→小数の計算→できない→小数の考え方 0.1とは何?

のようなイメージです。

 

目先のテストに合わせて、取れるところだけ取って誤魔化す方法もありますが、これは期末テスト等で良い点が取れたとしても、その後、さらに悪くなること間違いなしです。多くの個別塾では、目先のテストで点を取らせることを求められるので陥りがちです。テストで点が取れることと、単元が理解できていることは必ずしも同じではない、ということを知っておく必要があります。もちろん高校入試に当たって、通知表が悪ければ話にならないのですが、でも、その小手先の勉強では学力は伸びないというジレンマが・・・

 

 

【できる子も同様】

以上は、「できない子向け」と思われますが、むしろ勉強の得意なお子さんこそ注意が必要です。一見、できているように見えるので、「取りこぼし」が残ったまま先に進み、ある日突然、「できない・・・」になることがあるからです。

 

勉強な得意な子は難関の高校を目指すでしょうから、急にできなくなった時のダメージは大きい。中1くらいでは問題にはなりませんが、「ただ代数計算をしている子」は、中2の一次関数でひどい目に合うことが予想されます。もちろん問題は解けるのですが、異常に面倒な手順で解くようなことになります。これでは学校のテストは乗り切れても、高校入試は乗り切れません。基礎をおろそかにせず、原理原則を一つ一つ理解しておくことが大切です。

 

理解が怪しいなと思ったら、恥ずかしがらずバカにせず、「小学校の問題を解きなおすこと」から始めましょう。

 

 

次は英語について書いてみようかと思います(たぶん)。

 

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