コラム

入試における戦略と戦術

Yah〇〇の広告に、「偏差値が届いていなくても今から合格する方法!」とかあって、思わずクリックしまったのですが、正直言います。

 

そんなもん、ないでしょ。

 

 

入試も近くなり、模試も何度かやってみて、志望校に全く届かないという状況が続く人もいるでしょう。そんな人はついつい「今から間に合います!」的な広告にやられがちなのですが、冷静に考えてください。そんな都合の良い話があるわけないでしょう?

「あなただけ特別にお金を払えば・・・」なんて、詐欺の典型的手口みたいではないですか。

 

そもそも「奇跡の合格」なんて三流の仕事です。偏差値が届いていなくても合格はさせられますが、それは成功する可能性が高い戦略を取ったからに過ぎず、奇跡ではない。時事問題をやっただけで受かれば苦労しませんよ。「およそ戦いは、正を以て合い、奇を以て勝つ」という孫子の言葉を送ってあげたいですね。

 

 

入試にも戦略と戦術の考え方は欠かせません。

ということで、入試における戦略と戦術についてです。

 

まず戦略とは、合格のために何をすべきか、各科目で何点取って合格点に届かせるか考え、勉強を割り振ること。

 たとえば、合格点が6割だとして、算国100点、理社50点、300点満点の入試を考えるとしましょう。単純に言えば、各科目6割、60,60,30,30で合計180点ですが、極論を言えば、100,0,40,40の計180点でも合格します。そのために、国語は全捨てで算数に最大限時間を割当てよう、これが戦略です。あるいは、志望校のレベルを偏差値で20くらい下げて、現状のまま各科目とも合格点を越えさせる、というのも戦略でしょう(その戦略が妥当かの判断はまた別)。

 

 

一方で戦術とは、各科目をどう勉強していくか。

国語で100点中60点は必要だ、としましょう。現状では40点しか取れません、じゃあどうしようか。ここの中学校ではことわざや漢字などの知識問題が4割程度出題されているから、知識系を重点的にやらせよう。あるいは、ここの中学校は記述問題が多いからたくさん書く練習をさせよう、これが戦術です。60点を取るという目標設定があって、そのためにどうすべきか考えることです。

 

当然ですが、戦略も戦術もなく、ただ各科目一生懸命やらせても勝てるはずもありません。

だから、過去問を早い時期から取り組む必要があります。だって、戦略上の課題が見つからないもの。過去問を重視しないような指導は戦略がないのですから、これは勝てたとしても運が良かっただけです。というか、そんな指導よくできるな、とも思います。そんな博打、怖くて打てませんよ。

 

ちなみに、圧倒的学力差がある場合なら、たとえば偏差値80の子が受験するようなときは、戦術を考える必要はあまりありません。学力でゴリ押しです。塾としては志望校に対して戦術をあまり考えることなく合格させることができると楽なんですが、なかなかそうもいきませんね。

 

 

戦略上の失敗としては、こんな例があります。

大手塾にありがちな例です。各先生の連携が悪いために戦術的には正しいのに戦略的には誤っているというパターン。たとえば、社会だけが極端に悪い場合には、社会だけを重点的に学習するという戦略も必要なのですが、司令塔が不在の場合、全科目平等に、重い宿題を出してしまうことがある。

 

算数は算数で、国語は国語で、それぞれ最大限取らせようとした結果、苦手科目の改善ができず、入試で不合格。これが戦略の不在による失敗です。

 

 

本来は教室長・校舎長が全体を見て指示を出すべきなのですが、各科目の先生の能力が高ければ高いほど、任せきりになって機能不全に陥るというのがよくあります。経験上、そもそも戦略を理解できない教室長もいたりするのですが・・・(特定の科目に詳しい、講師気質の教室長にありがち)

 

見分け方は簡単で、教室長(算数担当)に対して、「国語どうですか?」と聞いた際に、「あとで担当に聞いておきます」的な返事をするような人は危険です。把握しとけよ。

 

 

それから、最悪なのは、塾側が志望校を把握していないだけでなく、誰も戦略も戦術も考えていない場合。カリキュラムの命じるまま、機械のごとく同じ作業を続ける感じ(学生講師が陥りがちな罠でもある)。たとえ志望校が同じだって、個人ごとに課題は異なるのだから、少しは考えて欲しいものです。こういう場合だと、必要もない講座をどんどん取らされることになります。本当にその正月特訓って必要なんですか?

 

 

ということで、今更ジタバタしても仕方ありません。

入試も直前になって状況が思わしくないと、もう桶狭間的勝利を期待して、何か特別な奇襲作戦しかないという心理になってくるのですが、たいていの場合は現実味がありません。どこぞの大本営じゃあるまいし、いくら本土決戦だ、神風だ、と呼号したところで勝てないものは勝てないのです。ブランデンブルクの奇跡とかもそうそうおこりません。

 

塾によっては、明らかに無理なのに「努力次第で何でもできる!」とか、「私たちにお任せください!!!」とか口走り、精神論で突撃しそうなところがあります。真面目に言っているのか、上司から金取ってこいという圧力がかかっているのか知りませんが、何であんなことが言えるのやら。

 

 

もし奇跡にすがりたくなったときは、そもそも何のために受験をするのか、もう一度考えるべきです。

その辺を考え合わせれば現実的な志望校を考えられると思うのです。

塾の勢いに載せられて、主体性を失った状態で受験を「させられる」ようなことは避けましょう。

 

 

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そろそろ二学期の期末テストが終わりますね。

中学校によってはそろそろ結果も出そろっているかもしれません。

不本意な結果の人も多いのではないかと思いますが、あまり右往左往して「塾をかえれば何とかなる!」というのは避けるべきでしょう。 

 
そもそも成績なんて簡単に上がらない

塾関係者は思っていても誰も言えないのですが、そもそも成績なんて簡単に上がりません。成績が上がる塾があるような錯覚を与えられるのは、宣伝の効果にすぎません。だって、塾の広告なんか上がった例しか出さないんだから(「〇人下がったが、〇人上がった」と公表する塾ってありますかね)。現状維持とか若干下がるなんてのは珍しいことではない。子どもたちはそれぞれ色々の背景のある「人」なのであって、ある数値を入力したら都合よく成果の上がる「ロボット」ではありません。本人が努力して、塾がいくらサポートしたって軽々と伸びるほど楽ではありません。

 

先日、ある外部の方と話していて思わず言ってしまったのですが、全科目90点以上取れなかったから塾やめるというのはハードル高すぎますよ。

 

 

「成績が上がらないから、塾やめます」は短絡的です。

こちらとしては他塾から生徒が流れてくれば儲かりますので、「そんな塾アホです。はい、すぐにうちに来てください」とアドバイスしたいところですが、私からは「原則として、塾はあまりかえない方が良い」というお話をしました。

 

余所の塾を擁護するのもナニですが、きちんと面倒をみようとしない塾はありません。無責任な学生バイトなら別ですが(すべての学生が無責任だという意味ではありません)、誰だって通っている子どもたちの成績を伸ばしたいと思いますし、何とかしてやりたいと思います(でなければ、こんな仕事しない)。それに生徒がいなくなったら塾はつぶれますので、経営的側面からも成績を伸ばす努力は、どの塾だってするものです。

 

塾では、子どもたちの性格や現状の問題点などを把握して、それを少しずつ変えていくための算段を考えています。「あいつはここが志望校で、今何が足りていないから、来月はこの辺をやるか」とか「冬期講習だと時間が取れるから、ちょっとこっちの分野でもやるか」などなど、色々計画を立てている。

 

「にもかかわらず」なのです。

そういう努力にもかかわらず、成績は簡単には上がらない。なぜか。勉強とは積み重ねるものだからです。たとえば、小学校の内容である分数を理解できていなければ、3x=5のような方程式は解けません。あるいは「速さ」の概念がないのに、「時速xkm5時間歩いたら何km行けますか?」と言われても、なんのこっちゃです。小学校も含め、既習単元の内容がゴッソリ抜け落ちているのに、塾をかえれば短時間で成績UP!なんてのは夢想にすぎません。

 

学力の向上は、徐々に、あまり見えない形で現れるものです。「2学期中間300点でした。期末は400点になりました。」というのがありうるとするなら、「学力を伸ばした」というより、「対策を十全に行った」だけの話で、学力は向上していない可能性が高い。塾によっては、定期テストの過去問のコピーを残しておいて、類似問題を出して点を取らせるようなところがあるようですが、そんなの教育も何でもなくて、テスト結果だけ誤魔化せただけで、本当の力にはなっていないのではないでしょうか。そんなに点がほしいなら、職員室に忍び込んで事前に問題でも盗みますか?という話です。他力本願で成績取って、他人に頼れなくなったらどうするんですか。

 

というわけで、成績はゆるやかに少しずつ上がるものです。ちょっと「上がらないから」と右往左往して塾を何度もかえるようなことはお勧めできません。塾を変える方のデメリットも、落ち着いて考えた方が良いと思います。

 

とはいえ、塾をかえた方がうまくいくことも当然あります。

 

 
では、どんなとき塾をかえるべきか?

まずは相手が信頼できないときです。できもしないことを約束するとか、嘘ばっかりついているとか(お任せください、必ず成績を上げて見せます!的な)。塾との契約は準委任契約ですので、信頼できないのならすぐにかえた方がよろしい。

 

次は担当がコロコロと変わるとき。子どものことをきちんと把握していない可能性が高いからです。先生が日替わりで変わるなんて、塾が毎回違うのと同じようなものです。もっとも、教室長ないし別の担任がいて、きちんと把握できているなら問題なしですが。

 

それから、いじめなどの対処に問題があるとき。これも広い意味での信頼できるかどうかですが、たとえ信頼できる相手であっても、子どもたちの人間関係が修復不能なくらいこじれてしまったら、環境を変える方がいいこともあります。

 

 

まとめ

塾をかえたところで成績なんて急激に伸びません、これが基本です。

だって、本人に問題があり、それが解決できないから成績が伸びないのだもの。そしてそれは、簡単に直るものではありません。「今回も40UP!」なんぞというチラシを見ると、ついつい騙されそうになりますが、あれは営業用の都合の良い話。短期間で理想の体型になるライ〇ップみたいなものですよ。嘘は言ってない、でもそれは全てではない、ということです。

 

そういうわけで、塾を選びは初回が大事です。考え方とか授業の進め方とかを十分に確認しておく必要があります。入塾金なんぞを取るところだったらなおさらです。塾代も年間にすると結構なお値段なので、塾選びは慎重に。

 

 

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ちょっとびっくりした話。

先日、塾生が某〇〇〇カデミーの開成模試を受けてきたのですが、あまりの対応の酷さにさすがにびっくりしました。状況は次の通りです。

 

ある算数の問題で答えを仮分数で書いたところ、正解にもかかわらず全問×にされた。

そこで解説授業で、「これ〇じゃないんですか?」と聞いてみたところ、

 

「時間がなかったから、とりあえず×にしておいた」

 

とか何とかおっしゃったとか。

もう、ツッコミどころしかないですよ。

 

 

一般的なテストでは

必ず「採点基準」が作成されます。

「採点基準」というのは、採点に当たって正答と注意点をまとめたもので、採点に偏りを出さないために作成されるものです。たとえば「帯分数165/7」を正答とするときは、必ずカッコ書きで「117/7も可」あるいは「帯分数指定なので仮分数不可」などと書かれている。採点者はそれに基づいて○×をつけるので、「とりあえず×」などいう対応は考えられないのです。その異常な対応がなぜ起こったかを考えてみると次の通りです。

 

  • 採点基準がない

考えにくいことですが、用意されていない可能性。基準がないと採点者の主観によってブレまくるのですが、国語の採点どうするんだ。ありえないよな・・・

 

  • 採点基準が不完全

そうならば、校正がデタラメなのでしょう(まさか校正しないのか)。まともに機能していれば、誰かしら文句を言ってくるはず。それに、そもそも算数担当者が帯分数のみを正解とし、注釈をつけないことが考えられない。

 

  • そもそも採点基準を見ていない。

採点者がいい加減な人で、採点基準を無視している可能性。でも、どうやって採点したんだろう?

 

  • 担当者はいないのか?

万一、仮分数を〇にしていいか分からないなら、誰かに聞けばいいのです。教務担当者なり問題作成者なりがどこかの校舎に待機していて、採点基準に不備があった時に対応するものです。これがいない? いや、ありえないでしょう・・・

 

  • というか、帯分数を仮分数にするのにそんなに時間が必要なのか?

採点基準に不備があり、担当者もいないとしましょう(この段階で救いようがないけど)。仮にそうだとしても、採点者自身で帯分数を仮分数にすることは容易です。計算機を使えば数秒の作業ですし、筆算したって1分もかからない。それを怠っているというのも信じられない。「仮分数で書くなよ、面倒くせえなあ」と思っても良いですが、「とりあえず×!」はさすがにマズイ。

 

 

などと色々考えてみたのですが、上記の1つでも失敗していればアウトなわけで(私のいた某社なら軽くて減俸処分)、

大手塾としてあまりにお粗末な模試対応ではないでしょうか。

そんなデタラメ採点で、合格可能性をどうやって探るんですか。お金払って受ける模試じゃないですよ。

 

 

しかも解説をしていないという

さらに、そのお方、解説授業そっちのけでSAIXの悪口ばかり言っていたというオマケもつきます(そこにSAIX生もいるのに)。んで、肝心な問題解説はほとんどせず、大問1と大問4が途中で終了。なんじゃそりゃ。やらない方がマシじゃん。

 

そういえば、「時間がないから」仮分数を×にしたそうですが、帯分数を仮分数に直す時間よりも、人の悪口を言う時間が貴重であると、そういうことなんですね。さすが大手塾様ですな。

 

ということで、ちょっとびっくりしたお話でした。

 

 

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中学受験と高校受験どちらが良いのか?  

 

東京・神奈川などに限りますが、家計に十分な余裕があるならば、中学受験をさせた方が良いでしょう。私立に通わせるかどうかは別としても、中学受験レベルの勉強をしておいた方が、高校受験でも圧倒的に有利ですし。

 

それに、公立中学校はあまりに「破滅的」です。

 

 

たとえば社会では・・・

ある中学校では、中2の二学期中間テストで、都道府県を答えるだけの問題(しかも記号含む)が20点分も出題されています。うちの塾では小4が満点取れるレベルです(しかも全て漢字で書きなさいと言う条件付きで)。

「岩手県の県庁所在地はどれですか、記号で答えなさい」って、いやいやそれ中学生の問題じゃないですよね・・・?

 

こんなテストをすること自体が信じがたいことですが、もっと恐ろしいのは、こういう問題を全く解けない生徒が少なくとも学年の3分の1はいるだろう、ということです。おそらく記号でなければ、もっと悪いんでしょう。

 

あるお母さんと話をしていて、「うちの子はバカなんじゃないか」と心配されていましたが、現代においては「都道府県を知らない」ことがむしろ一般的です。お子さんの能力が著しく低いということではありません。

 

 

暗黒時代再び?

そんなわけで、公立中では「都道府県なんて知りません。県庁所在地?なにそれ」という生徒が大多数です。逆に、知っている方が「天才」扱いされる。さらに、中学生特有の「俺って勉強できないんだぜ」(自慢)アピールにより、できる子が肩身の狭い思いをする。これが公立中の現実です。「知らないことは恥だ」という知的な文化がない。

 

ちょうど中世の暗黒時代に識字率が低いのと同じで、「みんな字が読めないんだから、別に読める必要なくね?」 「遊ぶ時間減らしてまで勉強してどうするのよ?」 「勉強する奴はお貴族様で仲間じゃないから」、そんな感覚なのでしょうか。

 

そんな状況下で「教育」をやっているのが、昨今の公立中学校です。

できる子とできない子の差が著しく、同時に教育することが困難であることは分かりますし、教える生徒を選べない先生方には同情を禁じ得ないのですが、もっと知的な文化を育めないのでしょうか。

 

 

だから小学生からの勉強が大切です。

小学生に難しいことをさせる中学受験の世界が異常なのか、小学生レベルすら解けない公立中がおかしいのか、これは見解が分かれるかもしれません。ただ、昔の中学校と比べて、公立中の子どもたちの学力が著しく下がってきているように思います(定量的な証拠は提出できませんが)。そしてそれは、小学校に問題があるんじゃないかと思います。多くのお子さんは中学生の学習内容についていけないからではなく、小学生で何も学んでいないために勉強ができないからです。

 

たとえば、中1になって正負の数の計算が分かりません、というお子さんがいたとします。原因をよくよく探っていくと、そもそも分数の足し算を理解していない。それも、異分母ではなく、同分母の足し算ができない。あるいは、酷い子になると60÷20が意味不明という(ここまで来ると障害の可能性も否定できないのですが)。そんな状態を放置している親にも責任の一端はあるのでしょうが、明らかに小学校の怠慢です。しかし、その無能を責めたところで、多くの学校の先生は改善する意図も能力も持っておりません。もうご家庭で対応するしかないのです。

 

 

別に誰もが大学に行く必要はありませんが、中学生レベルの教養くらいはあった方が良いに決まっている。知らないことは人生を大きく損ないますし、自分自身の選択肢を大幅に狭めることにもなるからです。どんな仕事に就いたって、やはり一定の見識は必要でしょう。ましてや、大学くらいは出してあげたいなと考えるご家庭ならば、小学生からの学習は絶対に欠かせないのではないか、と思います。中学校から取り戻そうとすると、おそろしく労力がかかります。

 

 

それにしても、1週間に何時間も、しかも何年もかけて、都道府県すら覚えさせられない。あるいは、同分母の足し算すら理解させられない。一方で、勉強をそっちのけにして狂ったように練習をさせる一部のブラック部活(吹奏楽・剣道・サッカーが代表例。部内の学力の二極化が著しい)。そんな公立の小学校や中学校に存在価値はあるのでしょうか? 改革すべきなのは教育の中身ではなく、小中学校の在り方のような気がしています。

 

 

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