コラム

2016/09/10

中学入試:過去問はどうすればいいのか?(1)

 

志望校の過去問をやることが重要なのは誰でも分かっていることですが、なぜ?という基本的な点と、具体的にどうするのか、という話を少し書いてみます。

 

 

【そもそもなぜ入試が行われるのか?】

私立中は、その校風にあった子たち、あるいは自分たちの教育についてこられる子たちに入学してほしいからです。たとえば、「入学後はたくさん文章を書かせますよ」という学校であれば記述が増えるでしょうし、「国語でたくさん読んでもらいます」という学校であれば国語の文章量が多くなる。つまり、求めている基礎学力があるかどうかを見たい、ということです。

 

志望者が多すぎるので、単にふるい落とすだけの入試をする場合もあるのでしょうが、たいていの私立中はそんな馬鹿なことはしていません。そんな選抜をしても、お互いが不幸になるからです。

 

 

【では、なぜ過去問をやっておくことが必要なのか】

入試の目的を考えると、過去問対策とは「入学後に勉強についていける学力を身につけること」になります。では、その学校が望むものは何なのか。抽象的なことはパンフレットでも説明会でも話してくれるでしょうが、具体的なことは入試問題として出題されています。だから、何が望まれているのかを知るためには、過去の入試問題を研究していくしかない、ということになります。

 

「求める生徒像」というのは、そうそう大きく変わるものではありません。男女共学化などの極端な変化があれば別ですが、毎年同じような出題をすることになります。求められているハードルをクリアしているかどうかは、過去問を見て判断していくしかありません。

 

 

 【いささか功利的になりますが】

どんな私立中も、「第一希望の子が多く入ってほしい」と思っています。これは自分のとこに入りたいと思っている子なら入れてあげたいなあという感情面の理由もあるのですが、「入った後で指導しやすい」という功利的な理由もあります。

 

第二志望以下で入ってくると、先生の指導もきちんと聞かない、友達関係もうまくいかない、そんなお子さんも出てきてしまいます。せっかく能力のある子に入ってきてもらっても、「スタートから学校が嫌い」では指導がやりにくい。だから、多くの私立中は第一志望の生徒を多く獲得するため、2/1の募集数を増やすとか、連続受験で優遇するとか、色々な作戦を立てている。

 

その作戦の一環として、入試問題に学校を好きな子を取るための罠が仕掛けられていることもあります。たとえば創立者の名前を出すとか(サレジオのドン・ボスコとか、農大の榎本武揚とか、山脇の山脇房子も出たことがあったか)、「修学旅行先はどこ?」とか、「体育館の横には何の植物がある?」などのワケの分からないものもあります。これは事実上の加点制度と言っていいでしょう。ちょっと本筋からはそれますが、過去問を解いていれば、そういう裏?の加点制度にも気づくことができる、ということです。

 

長くなってしまったので、具体的にどう解いていくのかは次で。

 

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