コラム

2016/02/02

合格実績って本当なのですか?

毎年、各塾が競っているのが「合格実績」ですが、これが実に胡散臭い

せっかくなので、なぜ怪しいかを書いてみます。

 

合格実績をすべて足すと学校発表を越えてしまう

まず、昨年度の開成と桜蔭の合格実績を見てみましょう。

四谷大塚、早稲田アカデミー、SAPIX、日能研の合計です。根拠は各塾のホームページからです(12/7閲覧)。

 

合格者数(4塾合計)→開成452、桜蔭329

合格者数(学校発表)→開成395、桜蔭271(補欠28

 

不思議なことに、4つの塾の合格実績を足しただけで、補欠を込みにしても、学校発表の合格数を軽く越えてしまうのです。塾は他にもありますので、各塾の合計数を足した場合、実際の合格数の1.5倍ぐらいになってしまうのではないでしょうか。仏舎利みたいですね。

 

学校発表が間違いだとか、合格していないのに合格していると報告をするとか、常識的にはあり得ない可能性を排除すると、考えられることは、どこかの塾が(あるいは全ての塾が)、実際よりも合格実績を水増ししているということです。ただし、明らかに相手を騙そうとか、そういうことを考えているわけでもないでしょう。

 

 

■では、なんでそんなことになるの?

多くはダブルカウントが原因ではないでしょうか。

たとえば、クラス授業でA塾に通いながら算数だけ個別でB塾に通った場合に、A塾・B塾の両者が数えることによって発生します。同じ人物が二回数えられてしまうということですね。

 

なお、四谷大塚については信頼性が高いと考えています。というのも、生徒個人名と合格校を紐付しているので、ダブルカウントを起こしにくいからです。ただし、加盟塾全体を合計しているので、四谷大塚本体の実績ではないことも付記しておきます。

 

一方で怪しいのは、○○×××××で、これは実際に私の教えていた生徒がそうだったのですが、模擬試験を受けて、数回ほど選択講座に通っただけでカウントされていました。小学校名とイニシャルを広告に出していたからおそらく数えたんだろうな、程度ですが。

 

中学校側に、「どの塾から何名です」と発表していただけると、「おいおいおい」となって楽しそうですが、色々と問題が出てしまうので、真相は闇の中のままなんでしょうね。

 

1つ言えることは、合格実績で水増しが行われているのは事実ですので、塾の合格実績なんて割り引いて考えましょう、ということです。全体として見ると、明らかに嘘があり、どこかの塾に景品表示法違反(誇大広告)の疑いがありますが、順法意識の薄い塾業界のこと、仕方のないことかもしれませんね。

 

 

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