コラム

2016/04/12

中1勉強法 英語編?

 

中学校に上がって初めて本格的に学ぶのが英語ですが、スタートの勉強法を間違えるとたちまち英語嫌いになります。

それを防ぐために中1で気にするべきは、ずばり「発音とスペル」です。

 

 

ヘボン式の呪い

小学校で誰でも習うものですが、これがまず最大の罠です。英語を暗号解読のように読もうとするのがアウト。なぜなら、ヘボン式は「かな文字をどのようにラテン文字で表記するか」のルールを決めたもので、「英語に対するカタカナの振り方」を表したものではないからです。

 

ところが多くの中学生がヘボン式に騙されて、「bus」はブスと書いてバスと読むとか、「take」タケでテイクだなと覚える。なんでこんな不合理なことになっているのでしょう。

 

 

そもそもの誤解は、英語をカナ表記しようとするところにあります。

前提として、英語はカナ表記できないということを認識する必要があるでしょう。だって、口の使い方が全く違いますから。たとえば、日本語の「ア」という発音がありますが、英語で対応する音は1つではありません。「cut」のア①と「cat」のア②、「car」のア③、全部音が全く違う。あるいは、「ラ」は、rでもlでもありません。ついでに言えば、「f」の音は日本語にはない音ですし、「t」もありません。プラスティックとするところをプラスチック、ティームをチームと発音するのは、対応する音がなかったからに他なりません(細かいことを言うと、日本語のタ行の音は舌先が歯に当たるが、英語のtはもっと上の歯茎に当たっている)。

 

このように、英語音を日本語音にするのは、口の使い方が全く違うために困難であること、これをまず理解しておく必要があります。そもそもヘボンさん自身が、自分の名前のカナ表記に失敗していることからも明らかでしょう。「Hepburn」、現代日本人なら「ヘップバーン」とカナを振りたくなるのではないでしょうか。

 

まずは基本ルールを覚えましょう

英語は表音文字ですので、アルファベットとルールが分かっていれば、大半の文字は読めるはず。しかし、英語発音は例外が多いうえに、日本人は表意文字である漢字を学んできた関係上、ついつい表意文字の覚え方をしてしまう。たとえば「cup」ならば、「uはア①で発音するからカップ」とルールに従って読めばいいところ、「cupという形はカップと読む」という一対一ひも付をする(しかもアが1音しかない)。英語のできない子の多くは、英文を表音文字ではなく表意文字と認識し、「読み方が分からないからできない!」という、何のためのアルファベットを学んだのか、ワケの分からないような状況があります。

 

caketakemakelake、などなどは共通のルール「エイ+ク」で読めます。漢字と同じように別々の意味を持つ文字列だと考えると、際限のない暗記地獄です。せめて漢字の形声文字と同じ程度(たとえば作と酢は「乍」からサクと読む)には、勘で読めてほしいもの。

 

ネイティブの発音を聞けばできるようになるものでもない

よくある誤解が「まずはネイティブ発音を聞け!」です。「鳥のように飛びたかったら、鳥の真似をして飛べ!」というくらいに間抜けです。どうやって音を出している分からないのだから、いくら聞いてもできません。英語好きが激減しそうなものです。カミカゼ・スコットランド兵じゃないんだから・・・

(ちなみに、低年齢の幼児なら発音を習得することはできるようです。)

 

学校で「ネイティブ連れてきて発音させたで、どやどや?」なんて授業をしていると、本気で心配になります。具体的な発音方法を教えた上でのことなら良いのですが。たとえば「lは、舌先を上の歯茎に当てて音を出す」という日本語との動作の違いを知る必要があります。違いを知って、自分である程度言えるようになってから、ネイティブ発音で磨きをかけるのは非常にいいと思うのですが・・・

 

当然ですが、ネイティブが日本人に教えるのは困難を極めるはずです。なぜなら、逆に、日本人がどうやって発音しているかの理解が難しいからです。「なんで言えないの? バカなの?」になってしまうのがオチでしょう。日本人がアメリカ人に「たたみ」とか「つなみ」とか言わせるのと同じくらいの困難さではないでしょうか。

 

 

いずれにせよ、日本語と英語とは音がえらく違うということをまずは理解しなくてはいけないでしょう。口の使い方が全く異なる。フランス語のrとか、ロシア語のxくらい日本語に全くない音であれば意識するのですが、英語はある程度親しみがあるので、違いが分からなくなってしまうのでしょうか。

 

 

 

具体的な勉強法

ぐだぐだ書いてしまいましたが、具体性に欠けました。私だったらどう指導するのか、一応書いてみます。

 

  • 「声に出す」こと。

音を区別して発音する癖をつけておくことが大切です。flrなど日本語にない音については特に意識をすること。また、短母音のiと長母音のiの音は全く違うので(healhillは長いか短いかではなく、むしろ音質が全く違う)、これを意識してほしいところ。それから、発音記号が読めるようになるとベスト。

 

  • ルールに従って発音すること。

表意文字ではないので、アルファベットには一定のルールがあります。これを覚えること。たとえばaならば、「cake」のようにエイで読む場合と、「cat」のように「ア②」音で読む場合があります。「all」ならオール、tをつければtallですし、cならばcallです。

 

  • 単語を覚える際には、ただ回数書くのではなく、音を意識して書くこと。

たとえば「カット」ならア①だから「u」を使う、「キャット」(本当はャの音はありえないのですが)ならア②だな、だから「a」などと考えること。間違ってもメイク→「マケ」→「make」の二重翻訳は禁止。当然ですが、表音文字なので、何十回も書いて覚えるというのは愚かです(とはいえ、そういう指導が多いのが実情ですが・・・)。「ダイコン」を覚えるのに20回も30回も書くとしたらおかしいでしょう?

 

 

 

なにやら中1英語の勉強法になっているか自信がなくなってきたのですが、いずれにせよ英語学習は、まず発音とアルファベットに注意した方が良いのは確かです。

3単現のsがどうしたなんて話は、後からどうとでもなります。

 

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